とある、不法滞在の外国人女性とのお話し3 – オーバースティを告白

thai food

(この記事は「ほぼ日刊ほいなめ新聞」に寄稿した文章を加筆修正したものです。)

Y嬢が、不法滞在と知らずに話をしていた頃の事だ。ランチの為にレストランに入るや否や、店員にWifiのパスワードを聞き出すので、「ふ~ん、いきなりだなあ」と思わないでもなかったのだが、そんな俺の視線を感じたのか、Y嬢が「私のスマートフォンはネットワークに繋がっていないから、Wifiが使えないと何の役にも立たない」と言う。

そこからしばらくは日本でスマホを買うと幾らくらいなのかとか,スマホ事情の話題になった。「良かったら、一緒に買いに行ってあげるよ」と伝えたのたが(この時点では不法滞在と知らず、スマホの契約も可能だと思ってい)、なんとなく「そこには触れてほしくない」というような感じになったので、話題を変えることに……。

オーバースティを告白

う~ん、この分だと次は無いかなあと思いつつ、その日の用事を済ませて、夜自室でくつろいでいると、Y嬢からLINEビデオの着信。時間にして午前0時過ぎ。

通話に出ると、同じ店の嬢と2人でビデオチャットに出てきた。どうやら、今夜は店が暇なようだ。ふと思いつき、「今夜暇なら、今からそっちに行っていい? 飯でも食おうよ!」というと、返事はOK。さすがにノリだけは良い国の人である。

それではと自宅から車を飛ばすこと数十分、到着した駅の近くのコインパーキングに車を預け、徒歩で事前に教えてもらっていた店まで行く。

ほどなく店の前に到着、それを告げるLINE通話を掛けると「そのまま店に入って来て!」とのこと。このまま「お客さん」になるのは嫌だなあと思いつつ、店のドアを開けて中に入ると、すぐにY嬢が出て来て、いつもビデオチャットに映し出される、見覚えのある自室へと通してくれた。

同じ店の嬢も加わり、少しお喋りをした後、じゃあそろそろ行こうかとなった。もう一人の嬢は気を利かせてくれたのか、Y嬢と2人で出かけることに。既に深夜1時を過ぎていることもあり、開いている店も限られる。

駅前の焼鳥系の店に入り、俺は車なのでソフトドリンク、アルコールがあまり強くないというY嬢には果実酒系のドリンクを勧め、出てきた焼き鳥にこれでもかと七味を掛けつつ(タイ人スタンダード)、軽く飲み食いしながら色々と話し込む。

昼間は話せなかったけど……と前置きしながら、日本に来た経緯や、日本に来てから今までの事、そもそもなぜ日本に「稼ぐため」に来なくてはならなかったのかを、軽く廻ってきた酔いも手伝ってか、Y嬢はざっくばらんに語ってくれた。

と、そんな会話の途中で、いきなり声をひそめ、さらには周囲を見渡しつつフードを目深に被り直すと、「あなたを信用しているから言うけど……」と目を伏せた後に「実は既にオーバーステイで、見つかるといろいろとヤバいの……」と告げてきた。

まあ、そんなところなんだろうな、という感じではあったが、会ったばかりの俺へそれを告げてくれた事に、相手の懐に入り込めた様で少しばかり嬉しかった。

Y嬢との距離を詰める

酔いも手伝ってか、色々と自分自身の話などをしてくれたY嬢。もちろん俺は気を許すわけにはいかない。なんと言っても不法滞在なので、少なくともそこは充分に注意して付き合わないとまずいし、また向こうの世界に関わるのも限界がある。

以降、バランスを考えつつ、Y嬢との距離を詰めていくことになる。次回は、その辺りの話しをしたい。

投稿者: スタジオスモーキー カルロス

2013年12月から開始したポッドキャスト番組「スタジオスモーキー」のブログです。 音声では伝えきれないコンテンツを公開して行きます。

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