(この記事は「ほぼ日刊ほいなめ新聞」に寄稿した文章を加筆修正したものです。)
駅前などで良く見かけるのが中華式マッサージ店。看板に目をやると、24時間営業とも取れる表現が目につく。それは、マッサージ嬢たちが住み込みで働いている事から可能なのは理解出来ると思う。今回は、そんな彼女たちの日常をY嬢を例にして説明したい。
一日の営業時間は?
先に述べた様に、24時間営業とも取れる看板が目立つ中華式マッサージ店であるが、当然ながら平日の午前中などは客が多いわけもなく、少なくともY嬢が働く店の営業時間は午後1時からであり、終わりの時間はお客さんの入り次第、と言う事になる。
概ね、終電が出る0時過ぎくらいの様子でその日の営業終了時間を決めるらしく、1時くらいに店を閉めて3人で簡単な夕食を取り、順番にシャワーを浴びて3時くらいに寝るのが一般的だそうだ。
従って、一日の営業時間は12時間となり、時間当たり幾らの商売と言う事も有り、忙しい日は結構稼げる(=結構疲れる)様だ。
不法滞在の為に銀行口座を作れないY嬢は、毎晩店の売り上げ清算が終わると現金で一日の取り分を店から確保している。正確な額は聞いた事が無いが、深夜、店に遊びに行き、Y嬢の部屋で片付けなどを待っていると数枚の万札を手に部屋に戻って来る事も有った。
意外と規則正しい毎日
そんなY嬢の毎日は意外なくらい規則正しい。
朝、9時に起床すると、お祈りから一日が始まる。(後述するが、敬虔な仏教徒である。)
掃除や一通りの身づくろいを終えると、他の2人に為にブランチの用意をする。料理が得意な彼女の役割の様だが、基本的に人の世話を焼くのが好きなタイプでもある。
11時過ぎから食事を始め、食べ終えると片付けをして開店の準備に入る。
午後1時に開店すると、部屋で待機しつつ客を待つ毎日だそうだ。
そして午後5時くらいに、早めの夕食を取り夜の忙しい時間に備える。
マッサージのコースは色々有るが、客が選ぶのは概ね90分から120分のコースだそうで、そうすると一日12時間勤務で平均客数は3-4人くらいだそうだ。
基本的に定休日が無いので、休みが欲しい時には3人で相談して休む日を決めるそうだが、金を稼ぎに来ているわけで、休むくらいなら少しでも働いて日銭を稼ぎたいと良く言っていた。
敬虔な仏教徒としての習慣
Y嬢は熱心な仏教徒である。
タイ人は仏教徒が多いが、その中でも相当に熱心な方だと思う。
一緒に過ごす時間の中で、そんな一端を垣間見る事も有り、次回はそんな話しをしたいと思う。