タイ人留学生のお話し4-彼女が出来たB君

thai food

引っ越しの為に益々苦学生ぶりに拍車が掛かったO君と反比例するかの様にB君のお気楽ぶりは加速する。劣悪な環境に移らざるを得なかったO君に対してB君は狭いシェアハウスから新築のワンルームアパートに越す事が出来た。これはB君の「夜活」にとって大きな意味を持つのだ。

B君の悩み

酒と女性が何よりも好きなB君。そんな彼の大きな不満は住まいに有った。B君が住んでいたのは3畳ほどの個室が付いたシェアハウスで、風呂、トイレ、洗面は当然のごとく共同だ。となると、ここにはなかなか女性を連れ込むのは本来気が引けるところだ。

「本来」としたのは、お気楽なB君はそんな事はお構い無しに既に女性を何度となく連れ込んでいたからだ。そう、B君には日本に来て出来た彼女が居た。

同じ学校に通うVちゃん

いつも行く安居酒屋でB君と飲んでいたある夜。B君が「友達を呼んでも良いか?」と尋ねてくるので、ああ、いつものことか、と承諾し、その「友達」の到着を待っていた。いつになく、そわそわするB君。少し様子がおかしいのが気になった。

30分弱ほど経った頃だろうか、B君のスマホが鳴りLINE通話の着信を告げた。画面を確認すると満面の笑みを浮かべタイ語で話し始めるB君。どうやら、「友達」が到着した様だ。その「友達」を迎えに行く、と言って店を出たB君を飲みながら待っていると、ほどなくしてB君が戻ってきた。若いタイ人の女性を連れていた。

少し英語が出来るその女性はVちゃんと言い、大学を出て直ぐに日本へ語学留学(B君と同じ学校)に来たと言う23歳の実に可愛らしい女性だった。

何の事は無い、B君は日本語学校に入り日本語を習得よりも早く彼女にするターゲットを作ってしまったらしい…

タイマッサージ店を経営する叔父さんを持つVちゃん

せっかくなのでB君を無視して、Vちゃんと色々と話してみた。

バンコクの出身で、全員がそうする様に、日本へ来る前の3か月間だけ付け焼刃的に学校に通い少しだけ勉強はしたものの、日本語は全く話せない。都内でタイマッサージ店を経営する叔父さんが居て、その叔父さんを頼りに日本に来たのだと言う。なぜ日本語なのか?と言う問い掛けには「日本のドラマが好きだから」と理由にならない理由を教えてくれた。

そんな感じの俺たちの会話を、もどかしそうな顔で見つめるB君。少しでも早くVちゃんと話したそうだ。笑

Vちゃんがトイレに立った時に、B君にVちゃんの事を問い詰めると、只今現在「狙っている」状態らしい。要は、俺に手助けをして欲しい、と言う事らしい。

持ち帰りに成功したB君。しかし、痛恨の大失敗を…

トイレからVちゃんが戻ると、片言の英語と幼稚園レベルのタイ語、更にはgoogle翻訳を駆使した非常にグローバルな、かつ、面倒くさくも「前向き」な時間を過ごす事になる。

いつもに増して飲むペースが速いB君。メガジョッキを、小ジョッキ並みの速度でどんどん空けて行く。片やVちゃんは、それほどアルコールに強いわけでは無いらしく、慎重に、しかし、急ピッチのB君に煽られるかの様に徐々にそのスピードを上げて行った。

タイ人を見ていて良いなあ、と思うのは自分の感情を素直に出す一面だ。

この日の様に、狙っている相手を飲みに誘い、良い感じで時間が過ぎると、そのストレートな愛情表現が止まらない。

この日のB君は、徐々に相手へのボディタッチが増えて、嫌がられていないとなると次はVちゃんの頭を抱き寄せる感じで身体を寄せていく。Vちゃんの表情を見る限り、嫌がっていない様だ。

さあ、そろそろお開き、と言う頃合いになった時、再びVちゃんがトイレに立った隙にB君に「この後どうするんだよ?」と尋ねると、当然の様に「部屋に連れて帰る。もうガマン出来ない!」と言う。この当時のB君の部屋とは、あのシェアハウスの狭い部屋である。もちろん、風呂もトイレも共同の、だ。まあ、本人同士が良ければ、どうでも良いのだが。

まともに歩けないくらいに酔ったB君と、こちらはイイ感じで酔ったVちゃんをタクシーに乗せ、その日の宴は終了した。(Vちゃんのおかげで、早く終われた笑)

その日から1週間ほど経った日。

B君からLINEが入る。内容を確認すると「病院を紹介して欲しい」と有った。

驚いて、「なぜ?」と返すと、Vちゃんが月のものが来ないと騒いでいる、と言う。

あれから一週間ほどで「来ない」と騒ぐのはともかくとして、肝心のB君があの夜に取った「行動」に問題が有った様だ。そう、酔った勢いで着けるものを着けて無かったらしい…

B君には慌てないで、まずは予定日の確認をVちゃんに再度確認することと、出来た出来ないは病院に行かなくても市販の検査薬で分かる事を伝えた。B君ももちろん分かっている様だが、どこでその検査薬を買う事が出来るのか、また、どれを買えば良いのかが分からなかったらしい。

仕方が無いので、俺が代わりにドラッグストアで市販の検査薬を買いB君に渡す事にした。

全く手間の掛かる話しだが、外国人の友人を持つと、たまに有る話しでは有る。

さてこの騒動だが、これがきっかけで少々面倒くさい事になってしまう。次回はその話しをお伝えしたい。

投稿者: スタジオスモーキー カルロス

2013年12月から開始したポッドキャスト番組「スタジオスモーキー」のブログです。 音声では伝えきれないコンテンツを公開して行きます。

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